Excel VBAの覚え書([セルの書式設定]-[フォント](Fontプロパティ)編)

2024-01-07

■RangeオブジェクトのFontプロパティ

文字に関する処理を行う場合、Fontオブジェクトのプロパティを使用します。

Fontオブジェクトは、RangeオブジェクトのFontプロパティで取得します。

Fontプロパティの詳細

Microsoftのサイトで「Fontプロパティ」を調べると、以下のように記載されています。

  • 指定したオブジェクトのフォントを表すFontオブジェクトを返します。

また、オブジェクト・ブラウザでFontプロパティを参照すると以下のように定義されており、何も引数を指定することなく、Fontオブジェクトを取得できることがわかります。

  1. Property Font As Font

■Fontオブジェクトの詳細

Fontオブジェクトのプロパティは下表の通りです(メソッドはありません)。

(Fontオブジェクトのプロパティ)

Applicationプロパティ(読み取り専用)
説明 Applicationオブジェクト(Excel)を取得
定義 Property Application() As Application
Backgroundプロパティ
説明 文字の背景色を設定/取得

(※)XlBackground列挙体は、以下の通り。
xlBackgroundAutomatic(-4105):自動
xlBackgroundOpaque(3)          :不透明
xlBackgroundTransparent(2)    :透明

定義 Property Background() As XlBackground
Boldプロパティ
説明 文字が太字かどうかを設定/取得(Trueの場合、太字)
定義 Property Bold() As Boolean
Colorプロパティ
説明 文字の色をRGB値で設定/取得
定義 Property Color() As Variant
ColorIndexプロパティ
説明 文字の色をカラー・パレットのインデックスで設定/取得

(※)カラー・パレット番号またはXlColorIndex列挙体を使用可能。
XlColorIndex列挙体は、以下の通り。
xlColorIndexAutomatic(-4105):自動設定
xlColorIndexNone(-4142)       :色なし

定義 Property ColorIndex() As Variant
Creatorプロパティ(読み取り専用)
説明 オブジェクトを作成したアプリケーションの整数値を取得
(※)XlCreator列挙体は、以下の値のみ。
xlCreatorCode(1480803660):Macintosh版Excelでのシグネチャ
定義 Property Creator() As XlCreator
FontStyleプロパティ
説明 文字のフォント・スタイルを設定/取得

(※)設定可能な値は、以下の通り。
標準(またはRegular)          :標準
太字(またはBold)               :太字
斜体(またはItalic)              :斜体
太字 斜体(またはBold Italic):太字 斜体

定義 Property FontStyle() As Variant
Italicプロパティ
説明 文字が斜体かどうかを設定/取得(Trueの場合、斜体)
定義 Property Italic() As Boolean
Nameプロパティ
説明 文字フォント名を設定/取得
定義 Property Name() As String
Parentプロパティ(読み取り専用)
説明 指定されたオブジェクトの親オブジェクトを取得
定義 Property Parent() As Object
Sizeプロパティ
説明 文字のフォント・サイズを設定/取得
定義 Property Size() As Variant
Strikethroughプロパティ
説明 文字に取り消し線を引くかどうかを設定/取得(Trueの場合、取り消し線)
定義 Property Strikethrough() As Boolean
Subscriptプロパティ
説明 文字を下付きにするかどうかを設定/取得(Trueの場合、下付き)
定義 Property Subscript() As Boolean
Superscriptプロパティ
説明 文字を上付きにするかどうかを設定/取得(Trueの場合、上付き)
定義 Property Superscript() As Boolean
ThemeColorプロパティ
説明 指定したオブジェクトに適用する配色のテーマの色を設定/取得

(※)XlThemeColor列挙体は、以下の通り。
xlThemeColorAccent1(5)                :Accent1
xlThemeColorAccent2(6)                :Accent2
xlThemeColorAccent3(7)                :Accent3
xlThemeColorAccent4(8)                :Accent4
xlThemeColorAccent5(9)                :Accent5
xlThemeColorAccent6(10)              :Accent6
xlThemeColorDark1(1)                   :Dark1
xlThemeColorDark2(3)                   :Dark2
xlThemeColorFollowedHyperlink(12):表示済みのハイパーリンク
xlThemeColorHyperlink(11)             :ハイパーリンク
xlThemeColorLight1(2)                   :Light1
xlThemeColorLight2(4)                   :Light2

定義 Property ThemeColor() As Variant
ThemeFontプロパティ
説明 テーマのフォントを設定/取得

(※)XlThemeFont列挙体は、以下の通り。
xlThemeFontMajor(2):メジャー
xlThemeFontMinor(1):マイナー
xlThemeFontNone(0):テーマのフォントを使用しない

定義 Property ThemeFont() As XlThemeFont
TintAndShadeプロパティ
説明 色を明るく、または暗くする単精度浮動小数点型(Single)の値を設定/取得
定義 Property TintAndShade() As Variant
Underlineプロパティ
説明 文字のアンダーラインを設定/取得

(※)XlUnderlineStyle列挙体は、以下の通り。
xlUnderlineStyleDouble(-4119)         :太い二重下線
xlUnderlineStyleDoubleAccounting(5):並んだ2本の細い下線
xlUnderlineStyleNone(-4142)           :下線なし
xlUnderlineStyleSingle(2)                 :一重下線
xlUnderlineStyleSingleAccounting(4) :未サポート

定義 Property Underline() As XlUnderlineStyle

■Fontオブジェクトの使用方法

文字フォントを設定

FontオブジェクトのNameプロパティで、文字フォントを設定することができます。

  1. sht.UsedRange.Font.Name = “メイリオ"

文字サイズを設定

FontオブジェクトのSizeプロパティで、文字サイズを設定することができます。

  1. sht.UsedRange.Font.Size = 18

文字色を設定

FontオブジェクトのColorプロパティにRGB関数で値を設定することにより、文字色を設定することができます。

  1. sht.UsedRange.Font.Color = RGB(255, 0, 0)

カラー・パレットに定義されている色であれば、FontオブジェクトのColorIndexプロパティでも設定可能です。

  1. sht.UsedRange.Font.ColorIndex = 3

文字を太字に設定

FontオブジェクトのBoldプロパティで、文字を太字に設定することができます。

  1. sht.UsedRange.Font.Bold = True

FontオブジェクトのFontStyleプロパティでも設定可能です。

  1. sht.UsedRange.Font.FontStyle = “標準"

以下のように指定することもできます。

  1. sht.UsedRange.Font.FontStyle = “Regular"

文字を斜体に設定

FontオブジェクトのItalicプロパティで、文字を斜体に設定することができます。

  1. sht.UsedRange.Font.Italic = True

FontオブジェクトのFontStyleプロパティでも設定可能です。

  1. sht.UsedRange.Font.FontStyle = “斜体"

以下のように指定することもできます。

  1. sht.UsedRange.Font.FontStyle = “Italic"

文字に下線を引く

FontオブジェクトのUnderlineプロパティで、文字に下線を引くことができます。

  1. sht.UsedRange.Font.Underline = True

文字に取り消し線を引く

FontオブジェクトのStrikethroughプロパティで、文字に取り消し線を引くことができます。

  1. sht.UsedRange.Font.Strikethrough = True

文字を上付きにする

FontオブジェクトのSuperscriptプロパティで、文字を上付きにすることができます。

  1. sht.UsedRange.Font.Superscript = True

文字を下付きにする

FontオブジェクトのSubscriptプロパティで、文字を下付きにすることができます。

  1. sht.UsedRange.Font.Subscript = True

 

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Posted by hides